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仏暴動について 2

 今年の9月に出版されたla haine de la déméocratie(序文PDF版)という書のなかで、ランシエールは、政治あるいは政治的なものについての新たな理論を展開している。現在の混乱した状況において伝播しているニヒルでペシミスティックなディスクールとは、全く性質の異なるランシエールのこの書は一読に値するものである。95年に出版され一部の間で話題を呼んだla mésentente(不和)と基本的には同じ内容であるが、現在われわれが直面しているいくつかの具体的な社会問題を例にとりながら展開されている政治主体に関する諸々の記述から、これまでの著作と時代の空気が同時に理解できるようになっている。暴動についての直接的記述はないが、出版された時期が少しずれていたら追記されていたかも知れない。しかしながら、本書で展開されている内容から、この存在しない部分を想像することはさほど困難なことではないと思われる。
*
 まず書のタイトルla haine de la déméocratieは、「デモクラシーの憎悪」と訳されるが、デモクラシーが持つ憎しみと、デモクラシーに対する憎しみという二重の意味で理解することが可能である。いずれにせよ、デモクラシーの憎悪の対象は何かということであるが、それはたんにデモクラシーの外に措定されるものだけでなく、自らの内部にある矛盾もしくは敵であることが本書で論じられる内容である。ひとつの法治国家体制としてのデモクラシーは、自らの外部に明確な敵を持っていたことはよく知られている。それは全体主義と呼ばれる国家体制であり、独裁主義や専制主義と呼ばれる場合もある。今日これらの国家体制をとる主要勢力が弱まり、歴史の中から消えつつあることもよく知られている。その一方で、デモクラシーが外の敵に目を向けていたあいだに意識から遠ざけられていたもの、デモクラシー的生とその過剰さによって示される、自らの内部に棲む敵の存在が今や明らかになりつつある。先のイラクへの軍事介入に見られるものは、独裁政権に対するデモクラシーの勝利として、単純に称賛され得るものでないことは、デモクラシーを擁護する陣営にとっても明らかである。つまり軍事介入は、それを正当化することに掲げられた大義とは、まったく異なる要求によって決行されたと言えるのだが、その要求はデモクラシーの内にある敵によるものである。それは、60~70年代の民衆による激しい反政府運動後に言われた、デモクラシーの危機以上に勢力を増し続けている。自らの内外から来る敵と闘いを強いられていたデモクラシーは、現在では様相を変え、ただ内側から来る敵との闘いという新たな時代に突入したといえる。
 ランシエールによると、デモクラシーの内にある敵との闘争の歴史は古くから存在するという。それは、デモクラシーが台頭してくる古代ギリシャですでに確認できるものだという。自己の性格や性質について、自分自身よりも他人のほうが、鋭い観察力でもって多くを知っている場合がある。デモクラシーに関しても同じことが言えるなら、異なる国政の支配者らが述べることに耳を傾けてみるのも有意義であるだろう。例えば、アテネの僭主ペイシストラトスが、自らが司る政権安定のために施行した政策のひとつに、公共のことがらから民衆を遠ざけておくというものがある。これは、過度なデモクラシー的生の要求が、政治の舞台へと上がってこないための予防策である。その一方で、完全には抑圧することが不可能なデモクラシー的生の要求に、政治的なもの以外のものへ向けさせるという策も練られている。公共のことがらへの自由・平等な参加を禁止する代償として、私的な幸福を追求することだけに、デモクラシー的要求を制限するということである。p14 これと同様の政策は、多くの僭主によって施行されたと伝えられているが、まずここに統治に携わる者らにとっての、デモクラシーに対するひとつの憎悪を確認することができるわけである。つまり、統治者にとって、公共のことがらに民衆が一斉に関与してくることは、ひとつの脅威として考えられたということである。これは、たんに混乱を生むというだけでなく、それが長期化することで政権が危うくなったり、さらには転倒する危険性があるということである。このことは現代においても、60~70年代の現象から知ることができる。
 ペイシストラトスによるこういった政策は、国制がどんなものであれ、そこでの統治者らによって目標とされているものである。そして、この政策によるひとつの帰結としての、市民らの公共問題に関する無関心、政治的無関心、私的財産を追求する個人を説明することは可能である。こういった現象は程度の差はあれ、おそらく多くの国で確認できることだろう。しかしながら、統治者らが考えるように民衆を公共のことがらに関与させないだけでは、政権の安泰を保証することにはならないと思われる。政治に無関心な市民が公共のことがらに直接関与することを止めるとしても、それは私的領域での幸福を最大限追求できることが保証されている限りで可能となるからである。つまり、私的財の追求が円滑に行われるということが、統治者らに対して干渉しないという条件であることになる。しかしながら、ここで考えられる均衡関係が、つねに崩れる危険があることは、簡単に推測できるだろう。それというのも、私的領域での活用に制限されたデモクラシー的要求は、それ自体では全く無制限なものとして止まるところを知らないからである。したがって、こういった活用が制限されると感じる限り、障害を取り除く要求は政府に対して続けられるということである。そしてデモクラシー的要求が強度になることによって、以前あった支配されている者と支配する者の関係が、時として逆転するような現象も確認することができるというわけである。このことは、私的財産を追求する諸々のデモクラシー的要求に対する、調停役としての統治者の姿のなかで見ることができる。
 政治的な領域への立ち入りを禁止されたデモクラシー的生は、結局、資本の場においてその勢力を発揮し、全くとどまることを知らないようである。そしてこのデモクラシー的要求は、今やこれまで統治力が及んでいた限定された範囲、主権国という枠を越えることで、勢力範囲を世界全体へと拡張しているのである。こういったデモクラシーの姿は、かつて外の敵として措定されていた全体主義と、何ら変わらないのではないかという疑問を生じさせることになる。国家とそれを構成する諸々の社会との隔たりを認めず、すべてを国家体制の管理あるいは監視下に置くという意味で、かつての全体主義を「社会を貪る国家」あるいは「際限なき国家」と呼ぶことができる。ランシエールは、全体主義に対するデモクラシーの勝利を称えているさなかに、皮肉にもデモクラシーが本来的に抱えている矛盾が明らかにされていると言い、これまで敵に対して用いられた属詞・形容詞が逆立ちした形でデモクラシーにあてはめてみることができると考える。つまり、自由の名において極端に推進されるデモクラシーは、「国家を貪る社会」でしかなく「無制限な社会」という結果を生むということである。ここで言われる社会とは、着実にその勢力を増大・拡張している経済重視の資本主義社会であり、「一なる原理」を根拠にして建てられる社会である。こういった社会は、従来の国家枠を超出しながら、全世界を均質化しようとしている。資本原理による世界の均質化と言っても、それは現在誰の目にも明らかな世界における貧富の格差の均質化という意味でなく、人間の様々な活動を生産・消費活動という窮屈な枠に押し込めるという意味での均質化である。このような形式で推進されるデモクラシーは、かつて自らの敵として定めた全体主義と代わらないのではないかという批判を受けることになる。これが現在見られるデモクラシーに対する憎悪の最新形式ということである。
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2005.12.11[Sun] Post 06:36  CO:0  TB:0  未分類  Top▲  このエントリーを含むはてなブックマーク 

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