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ジャック・ランシエール - 仏大統領選の雑感 ~ セゴレーヌ・ロワイヤルの参加型デモクラシー

一昨日、セゴレーヌ・ロワイヤルとフランソワ・バイルによる、第五共和制では異例のTV直接討論が、サルコジ陣営の圧力にも関わらず最終的に行われた。異例とはいえ、これまでも一次選後に敗者と勝者との間で、二次選前にTV討論が禁止されていたわけではない。ただ、74年の大統領選以来、二次選に駒を進めた二人の候補者による直接TV討論のみが、慣習的に行われていただけのことである。2002年は、シラクがルペンとの討論を拒否したので行われなかった。それは、反デモクラシー、反共和国主義者とは、話すことがないという、シラクの言い分からであるが、世論もこれには賛同していた。

問題の討論は、制度・経済・ヨーロッパ・社会生活をテーマに進められた。経済に関するテーマでは、妥協する点がほとんどなかったものの、それ以外のテーマでは、同調していたことが多い。なかでも、第五共和制の終焉に関するやり取りは、今回の討論でも重要なテーマであり、サルコマニア以外には(ルペンも含めて)興味深い内容であったと思われる。具体的なものは、大統領に多くの権限を集中させるような現行の君主政体の改革、議員の要職掛持ち禁止、国民議会選挙への一部比例代表制の導入、議会多数派政党の権力分散などで、要はデモクラシーという名において進められている、もっとも強い少数派が有利に働くような現行の権力図を改変するという内容である。これは、政治家による自己批判であり、変革、改革などを国民に要請する当事者も、同様に変わるべきであるということである。
結局、今回の討論が実現するまでの経緯を見てもわかるように、問題の焦点は、第五共和制の悪しき面の改革であり、これが意味するのは、自らに有利に機能する現体制を力づくで保持し強化しようとするサルコジ陣営に向けられた批判なのである。TV討論の前に、スタジオに招かれた各党の責任者がコメントをしていたが、終始、今回の討論が「第五共和制の精神に反する」と言っていたあるUMP議員が司会者の質問に対し、「デモクラシー?それは、多数派を意味するのじゃないの?」などと口を滑らす場面は非常に象徴的であった。
また、ロワイヤルやバイルに対して、第一次選挙期間では、お互いに非難し合っていたのに、今になって歩み寄るのは、支持者たちをバカにしているなどという、批判がUMP側からなされている。それに対しては、ロワイヤル以上にサルコジに痛烈な非難を浴びせていたドゥ・ヴィリエや、議会での席を確保するために急遽サルコジ支持に逃れるUDF党員などにも、UMPは同じように批判する必要があるだろう。
さて、残り一週間。政策に関する細かな討論も必要だが、デモクラシーという理念を、政治的な面から焦点を合わせ、サルコジとの差を明確にするなら、ロワイヤル支持が増えるような気がするのだが。反対に、デモクラシーという理念を、雇用に関する個人の自由やライフスタイルなど経済的な方向へと持っていかれたら、ロワイヤルが不利のような気もするが、どうなのか。昨日、フランス・ヨーロッパ・エクスプレス・FEEという政治番組に出演していた、トマ・ピケティー級の話が出来たらよいのだが。とりあえず、TV討論を見ることにしよう。

(先日サルコジはTF1での特番で、経済の話をしている最中、靴を脱いだり履いたりと、落ち着きがないというか、育ちのあまりよくない現場をカメラに撮られ、全国中継されてしまった。あまり気づいた人はいないと思うが、CANAL+で翌日、ギャクにされていた。TF1では友達の家に招かれているようなもので、つい、くつろいだ態度を見せてしまったのことだ。人のことは言えないが、こういう行為は、無意識なものだと思われるので、本人が注意してても、大事な場面でまたやりかねないだろう。)

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セゴレーヌ・ロワイヤルが、今回の大統領選にさいして、もっとも初期のころから、前面に打ち出そうとしていた理念のひとつに、参加型デモクラシーというものがある。これは、議会代表制ではデモクラシーの理念を十分には実現することができないという反省から生じてきた考えである。すでに大昔からある考えであるが、少人数で構成される集団内でならまだしも、国家規模で行われる選挙などでは、適用することなど到底できない単なる理想としてしかみなされていなかった。また、今日のような官僚主義的な世の中にあって、参加型デモクラシーには、多少ナイーヴなものとしての印象もある。しかしながら、現実社会に上手く適用できないというテクニック的な理由で、ひとつの理念について考えること、討議することが無用であることにはならないだろう。そもそも自由なり平等なり理念というものは、思考すべき対象であって、様々な角度から検討されるべき解なき問題であり、経験の場で実現されるか否かによって測ることのできない問題なのである。

公式選挙運動に先立ち、ロワイヤルが公判した書「MAINTENANT」が、市民との対話を通じて徐々に書き進められたものであることは、よく知られていることである。以前、ロワイヤルの公式サイトで、この書の草稿が少しずつアップされていたので読むことができた。本稿は読んでいないので、最終的にどういった内容に仕上がっているのかは知らないが、草稿の導入部では、デモクラシーについての考えがまとめられていた。すぐ目についたのは、ランシエールの「デモクラシーの憎悪」からの引用文であった。
ランシエールによるデモクラシーの理念。『この言葉に、本来持っているスキャンダルの力を返さなければならない。デモクラシーという言葉は、当初、ひとつの侮辱の言動であった。それは、下層民、大衆、統治することの資格を備えていない者らによる統治であった。』平等とは、目的ではなく、『誰もが備えている力』というデモクラシーの前提であり、『より多くの人間が、公共の事柄に携わる資格を持っている』ことの肯定である。(『』は、ランシエールの「デモクラシーの憎悪」からのロワイヤルの引用)

ランシエールが、ロワイヤルの選挙運動に直接的に関与しているとは思われないし、おそらくしていないと思う。それでも、こういったかたちで自分の思想が取上げられ、重要なものとして評価されていることには、本人も悪い気はしていないだろう。それはランシエール自身が今回のリベ記事でも言っているように、ロワイヤルが最後まで徹底的に展開されなかったにしてもである。しかし、ロワイヤルの発言のなかに、敢えてランシエールの影響を探すなら、いまだ見出すことができるのではないだろうか?
例えば、エネルギー問題についての最近の質問に対して、ロワイヤルは次のように述べている。「原子力発電のような問題は、国民全体の生活に関わる重要な問題であるので、一部の政治家や一部の専門家だけで討議され解決するような問題ではない。自分たちがどういた状況に置かれているのかということを、多くの市民が意識するできるように、政府は正確な情報をもっと公開すべきである。(原子力発電がいいとかわるいとかいうことに単純化する質問に対して)[…]天然ウランの可採年数は?代替エネルギーは?ウラン廃棄物の処理?再利用は?」
公共に関する諸問題を、これまでのように統治することが自然に許されているような、一部の特権階級の者らだけに任せておくべきなのか?取り決めを行う当人らの利益が約束されているような閉ざされた空間での密約に、異議を唱えることなしに従うことが善良な市民なのか?政治的なものが、政治家や専門家だけのものではなく、すべての者に開かれたものであり、そこへ介入していく能力をすべての者が備えているということが、ランシエールからインスピレーションを受け、参加型デモクラシーという理念のもとで、ロワイヤル自身が理解しているもののように思われる。

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5/1に、パレ・オムニ・スポーツ(15000人収容)で予定されていたパリでのミーティングは、定員がオーバーすることは確実ということから、最終的にシャルレティ球場で行われることに決定した。天候が今から心配されているが、野外での決行はセゴレーヌ・ロワイヤル本人の強い意向のようだ。セゴマニアではないが、型破りの自由な発想と、自分の意志を押し通す姿には好感がもてる。
火曜日、選挙本部での記者会見で、バイルとの公開討論を提唱したさいに、周りにいた党幹部が記者たちの反応から発言内容の重大さを察したのか、報道陣のヘッドフォンを奪い、ロワイヤル節を真剣に聞いていたのは、象徴的なシーンであるように思う。側近らにとっては、本当にハラハラさせるパトロンなのだろう。
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2007.04.30[Mon] Post 22:23  CO:0  TB:0  リベラシオン  Top▲  このエントリーを含むはてなブックマーク 

仏大統領選~TV討論とゴールデン・ラカイユ

golden racaille大統領選の第二幕・・・裏切り、陰謀、中傷、告発、同盟。一次選の開票直後に、勝敗の行方はバイル票(6.850.000票)が左右するなどと、メディアで一斉に報じられていたが、そのことは、誰の目にも明らかなことであった。一次選で敗退したのにも関わらず、フランソワ・バイルは支持者らに健闘をたたえられていた。大統領選一次の敗者が、勝者以上に喜んでいる姿を見るのは稀である。・・・セダクション・オレンジ。先手を取ったのはセゴレーヌ・ロワイヤル陣営。社会党の選挙本部で、バイルとの公開討議を希望する旨を表明。水曜日、党首としてUDF支持者に対する二次選での投票意向を表明するために予定されていた記者会見の席で、バイルは、TV中継を許可する条件付きで承諾。それに対してロワイヤルは、金曜日に予定されている地方新聞社の共同記者会見の場で行うことを提案。バイル承諾。一次選前には、実現されなかった直接討論に、多くの市民は期待を寄せていたのだが、即日、地方新聞社連合会から拒否される。(ニース・マタン紙の社長ミッシェル・コンブールが現会長)・・・これに対してロワイヤルが、サルコジの圧力によるものと糾弾。サルコジ、コンブールとも、まったくのでたらめと反撃。・・・CANAL+社が今週の土曜日にも、特別討論の場を設けると名乗り、モデレーターまで発表したものの、最終的に辞退することに決定。CANAL+社側による企画白紙の理由は、公式選挙期間における、候補者ならびに党スポークスマンの発言時間均等法に従うというもの。規制はCSA:視聴覚高等評議会によるものではなく、CANAL+社自身の決定とされているが、今度は、バイルがサルコジ陰謀として非難する。(真相は明らかでないが、ほぼ確信しているとのこと。)三つ巴の場合は問題ないが、サルコジはバイルとのTVでの公開討論は拒否しているので、実現は不可能。彼曰く、「サッカーの決勝と同様、大統領選も決勝進出を決めた2チームによって争われる。」発言時間の平等が問題であるならば、ロワイヤルがバイルとの討論で費やした時間を、サルコジが自由に使うことで解決できると思われるのだが、彼にとっては討論自体をやめさせるところにあるので、いかなる提案も拒否するようである。(事実、前回のパリ市長選のさい、ドラノエ-セガン-チベリのTV(ケーブル)討論が企画されたのだが、チベリは拒否したため、ドラノエ-セガンでの直接討論が行われたこともある。その代わり、チベリには同等の時間があてがわれた。)パリなどで企画されている、選挙キャンペーンの模様などを実況中継するなどして、時間はいくらでも調整できるし、戦略次第では、サルコジにとっても悪い条件ではないと思うのだが。・・・などと書いている間にも、状況が進展したよう。デジタル地上波のBFM TV局にて、土曜日に中継することで、最終調整されている模様。(ネット経由で見れます。つまり、全世界からのアクセスが可ということ。サーバー大丈夫か?)仮に実現されなくとも、この件では、ロワイヤルがとったイニシアティヴの方が評価され、ポイントを稼いだと思われる。

サルコジは一次選のとき以上に、各方面から激しい攻撃を受けているものの(財界、一部のメディアを除く)、各調査機関が発表してる世論調査では、いまだに優勢を保っているものの、差は縮まってきている。ロワイヤルxバイルの直接討論が実現するのか?それによって、バイル票はどのように配分されるのか?ル・ペン票は?(5月1日に開催されるFN党集会で、ル・ペン自身が二次選での投票意向を支持者らに伝える。明言は避けるだろうが、バイルのように、誰に投票しないかは暗示すると思われる。)いずれにせよ、来週水曜日に予定されている、ロワイヤルxサルコジのTV直接討論が、決定的な要因となるだろう。政治リアリティー・ショーは続く。

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フランソワ・バイルの記者会見要旨

財界やメディア勢力に癒着し、威嚇と脅しを得意とするニコラ・サルコジは、かつてないほどに、それらの権力を縦にするだろう。人々の感情を煽るようなテーマの数々や、彼自身の気質によって、社会組織のいたるところで、分裂が悪化してゆくことは必至であり、そういったことも富裕層が有利になるようにと仕向けることによってである。[…]私にとって、ベルルスコーニとサルコジは同類です。[…]
デモクラシーについて、セゴレーヌ・ロワイヤルは(サルコジよりも)、考えているように思われます。そのことは、社会党が政権の座に就いていたさいに、改善することを何もしなかったにせよ、社会組織について配慮していると思われます。しかしながら、国家介入を増長させ、すべてを国家に任せるという幻想を維持し、数え切れない公共サーヴィスを創設するような、彼女のプログラムは、わが国の経済に創造性と均衡性を取り戻させるために必要不可欠なものとは、正反対の方針をとっております。[…]
われわれのように国債を抱えた国において、両候補者ともに、600億(ユーロ)とも言われる桁外れの公共支出の増大を公約しておりますが、そのうちの一人は(サルコジ)、レーガン、サッチャーでさえ、想像することさえしなかった、非現実的な減税をも提唱しているのです。[…]ニコラ・サルコジは、デモクラシーの諸問題と社会組織の亀裂を悪化させることになるでしょう。[…]セゴレーヌ・ロヤイヤルは、経済問題を長期的に悪化させることになるでしょう。(ここまで)
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要旨を見てもわかるように、ロワイヤルに対する批判は、これまでも左派に対して言われている一般的な批判の範囲を超えない、政策に対する批判である。しかし、サルコジに対するものは、アンチ・サルコが唱えるように、マフィア的政策、危険人物として人格にまで及んでいる。ロワイヤルに投票するか、白紙投票かは判断できないが、ベルルスコジに投票しないことだけは明らかである。

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使用した画像は、Charlie Hebdo N775(25 avril 2007)から拝借。



2007.04.27[Fri] Post 23:13  CO:0  TB:0  社会  Top▲  このエントリーを含むはてなブックマーク 

民間の世論調査機関と選挙

選挙期間になると、必ず問題になる民間の世論調査機関。主要6社のうち「研究所」を名乗る企業もなかにはあるが、それの原語である「INSTITUT」は、国立の研究機関に対して言われるのが通常である。IFOP社(38年設立の仏最古の調査企業。現在の代表取締役は、仏経団連MEDEF主宰でもある、ロランス・パリゾ女史)を始めとする各調査研究所は、国家機構に属するのではなく、株式会社という形態をとっているマーケティング・コンサルト企業でしかない。つまり、営利を目的とする企業というわけである。したがって、「研究所」を社名として使用するのは言葉の濫用ではないのかと、しばしば非難されることになる。因みに、フランスでの唯一の調査機関は、INSEE・仏国立統計経済研究所のみである。
大手6社のうちでもっとも歴史があるのは、仏社会学者ジャン・ストーツェルによって38年に設立されたIFOP社である。彼はソルボンヌで教鞭をとっていたが、アカデミックな枠へと押し込められないような、もっと自由な研究を希望していたらしい。ある時アメリカ訪問のさいに、ギャラップ調査で有名なジョージ・ギャラップから、新しい社会での世論調査の意義を学んだとも言われている。帰仏後、まもなく創立したのがIFOPというわけになるが、それについての経緯は、晩年の対談などから知ることができる。それによると、自らの研究を国家機関に束縛されないかたちで続けるために、資本・政治面で独立した研究所を創設する必要があったということが、最大の動機であったようである。当時、国家機関に属さなくとも、「研究所」と名乗ることに問題はなかったのかは、詳しいことはわからない。しかしながら、創始者自らが言うように、始めから企業体制をとっていたことは、自他ともに認めていたことだったので、問題はなかったのであろう。(要検証)以後、IFOPに続いて創設されてゆく同業者のいくつかも、「研究所」を名乗ることに踏襲している。

各社とも選挙に関する一連の調査は、大手メディアグループから委託されて行っている。現在、TNS-SOFRESは保守系新聞ル・フィガロ紙、RTLラジオ局、LCIなどと契約を交わしている。{IFOP(パリ・マッチ誌)、IPSOS(ル・ポワン誌)、CSA(ル・パリジャン紙)} 統計調査結果の誤算出は、契約更新から信用問題を通して利潤に関わるので、当然のことながら企業としては避けたいものである。しかしながら、前回2002年度のジョスパン一次選敗退、換言するとル・ペン通過という結果は、どこも予想できなかったということを知っている。(図1参照)こういった前例から今回の大統領選の世論調査に対して、一般市民の反応は冷ややかなものである。集計結果が発表されるようになった当初から、有権者には懐疑的にしか受け入れられていない。さらに、「個人の選択する自由に反する」や「有権者の心理的影響は多大である」などと、調査企業が発表する数字が「当てにならない」という以上に、選挙空間への調査企業介入そのものが批判されている。各々の調査企業の報告が毎日なされるわけではないが、全社が同じ日に発表されないことによって、異なる企業による異なる最新結果は、ほぼ毎日のように耳にすることになるわけである。これは、候補者らのメディア向けの派手なパフォーマンスなどと同様、選挙のコマーシャル化・市場化として、今回、特に批判されているものである。しかしその反面、いまだ誰を支持するかを決めかねている有権者にとっては、隣人が誰に投票するのかを知りたいだろう。自分の心情を確かめたいと思うのは、特に現内閣の政策に異議を表する目的で、極右に投じようとする有権者に多くある傾向だと言われている。(極左・極右への票、また棄権票を規定することが困難であるようだ。2002年の大統領選では、これらすべての予想が外れた。)また、政治家にとっても、口を揃えて「ただの調査。開票後まで当てにならない」などと強がっているものの、やはり一般的な傾向を知りたいというのが本音であろう。無論、各政党は平行して独自の調査は行っていると思われるが、せっかく「専門家」と名乗る企業が提出する数字を無視するわけはないだろう。以前、仏IPSOSの責任者ピエール・ジャコメッティが言っていたが、ル・ペンは特に世論調査の動向を気にしているらしい。(メディアでは、メインの支持率に関する報告が目立つが、様々なカテゴリー別の報告も提出されている。)

フランス国営TVなど、調査企業と契約しているメディア機関は、そこから提出されたものだけしか発表していないところもある。しかし、どことも契約していないメディアや、ネットのポータルサイト上での情報は、すべてが混在している。某社の最新調査によるなどと断ってはいるものの、任意の数字をもとにして書かれた関連記事を読んだり、記載される数字だけに関心を向けていると、何か事態が急変したかのような錯覚に陥る場合がある。例えば、現時点で一位のサルコジと第三位のバイルの差は、BVA社の最大14ポイントで、最小はCSAによる8ポイントである。(19/04/2007)調査企業が異なることを知らずに、ただ前者の数字を聞いた翌日に後者の数字を見ると、バイル人気が急に上昇したように思ってしまう。BVA社のものだけをとってみると、実際のバイルは、前回比より3ポイント後退し、サルコジは1ポイント上昇していることになっているのである。また、BVA社の報告をもとにするなら、「サルコジ、ロワイヤル、他の候補者を大きく突き放す」という見出しが作れるし、IFOP社のものをとるならロワイヤルは前回比より1.5ポイント下げ、バイルが1ポイント上げ、差が縮まったことから、「ロワイヤル、一次選敗退の危機」などとも書けるわけである。
2002年における失敗の反省から、各社とも調査法には慎重になっていると言われている。一回の調査は1000-1500人を対象にして行われていることは、調査された期間とともに発表されている。各社とも可能な限り、実際の有権者人口に近づけるような階層などの選別は、事前の調査ですでに行われている。この段階での違いが発表される結果を左右するとも考えられるが、それよりもむしろ、主要6社よって発表される結果が異なるのは、集計後の数字の解釈法によるとされる。つまり、発表される数字は、集計された生の数字ではなく、独自の方法による修正後の数字ということである。これについては企業秘密で、詳細はわからない。ただ、ル・ペン票を規定するのは、もっとも困難であるとよく耳にする。ル・ペンに投票する可能性を残しているFN党に加入していない有権者は、たとえ電話という媒体を通じてでも、明確に支持を表明することには躊躇するらしい。反ル・ペンに対する世論が、すでに何年も前から形成されているわけだし、さすがに後ろめたさというものもあるのだろう。また、取り込んでいる時に、いきなりかかってくる電話に対して、真面目に対応しない有権者も多くいるとも言われている。そういう者が、腹を立てて「ル・ペン」と答えるかどうかなど、知る余地はないのであるが。いずれにしても、調査企業の出す報告には限界があり、それはただ必要とする者にとって必要とする分だけしか必要とならないということである。

イギリス人は、何に対しても賭けたりするのを好む国民だと言われている。もちろん、今回の仏大統領選もブックメーカーの対象になっている。主要6社が出す最終調査報告のうち、どこが実際の結果に近いかという、予想屋に対する予想があっても不思議でないと、無責任なことを考えたりもする。

1)大統領選の世論調査。2007/4/19日現在。社名の並びは売上順。
2007 SARKOZY ROYAL BAYROU LE PEN
TNS-SOFRES 28.5(-1.5) 25(-1) 19(+2) 14(=)
IPSOS/Dell 30(+0.5) 23.5(-1) 18.5(=) 13(-0.5)
CSA-CISCO 27(+1) 25(+2) 19(-2) 15.5(+0.5)
BVA 29(+1) 25(+1) 15(-3) 13(-1)
IFOP 28(-0.5) 22.5(-1.5) 19(+1) 12.5(-0.5)
LH2 27(-1) 23(-1) 19(+1) 14(-1)

2)2002年大統領選~一次選前の世論調査と結果。
2002 CHIRAC LE PEN JOSPIN BAYROU
TNS-SOFRES 19.5 12.5 18 6
IPSOS/Dell 20 14 18 6
CSA 19.5 14 18 6
BVA 18.5 14 18 6
IFOP 20 10.5 16.5 6.5
LH2 20 13 18 7
1er tour 19.88 16.86 16.18 6.84


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世論調査にまつわるもうひとつの話題。数日前に、ジャーナリストのジャン・マルク・モランディニが、自身のblog上で発言が物議を醸している。それは、選挙当日20時を待たずに同blog上に界標途中結果を晒すというもの。パリやリヨンなどの都市部における投票所は、20時まで開いているが、人口に比例して18時あるいは19時で閉鎖される投票所がほとんどである。各投票所における開票は、締切と同時に開始され、18時30分から漸進的に各主要メディアに結果が流されると言われている。これは別に問題ない。しかしながら、すべての投票所が閉鎖される20時までは、マスメディアを通じて情報を流すことは禁止されている。(選挙法51条の2)これは、未だ投票していない者に影響を与えないという、ごく普通の理由からである。 とはいえ、前回の2002年の大統領選では、CANAL+局が19:45に報道の例がある。また、パリ・マッチ誌に至っては、自社のサイトから中間予想が閲覧できる海外サイトへのリンクがはられていたと言われている。こういった行為は、たんに当事者が選挙法違反として裁かれるだけでなく、場合によっては選挙自体が無効となる可能性もあるらしい。
モランディニの今回の発言の意図は、1)こういった違反行為の前例があること。特にパリ・マッチの件では、一部の関係者に知らせるようなものであったとのこと。そのことが、どれだけ最終結果に影響したのかは不明。なぜ、いつでも重要な情報がまずVIPだけのものなのか?全国民も知る権利がある。2)ネットが普及した時代において、誰でも隣国のニュース・サイトから情報を得ることは可能。これに関する法の効力は曖昧。スイス、ベルギーで19時ぐらいから、実際に報道されているのに、フランスで報道されないのはナンセンスというようなもの。要は、選挙法で言われていることが時代遅れであって、投票所が全部閉鎖されるまで開票することを禁止にするか、さもなければ、情報が漏れることは避けられないということ。しかもその場合、情報が一部のVIPのものであるということは、納得できないということである。
これに対する、ブロガーの意見は二つに分かれているが、その大半は、すでに法かモランディニの発言のうちで見るものと同じである。賛同者の意見は省略するとして、反対者の意見からいくつかを紹介。一番多いのは、やはり有権者に与える影響についてであるが、特に均衡している場合や、前回のような結果を想定してのことから言われているように思われる。2002年の最終結果を見てもわかるように、ル・ペンとジョスパンの差は約20万票。棄権票は同選挙における過去最大の約177万票に達し、これは一次選通過のシラク、ル・ペンを合わせた数よりも多い。20時の公表直後に、フランスのみならず、隣国をも震源させたことは周知の通りである。ジョスパンが一次通過することに楽観的だった支持者で、投票に行かなかったものは、さぞかし苦い思いをしたであろう。彼らが19時の段階で、ジョスパン危うしという情報を聞いていたら、慌てて投票所に駆けつけたかもしれないが、だからといって、一次を通過していたかどうかなど、誰にもわからないわけだし、そもそもこういった情報が正しかったなどとは、後になってからしか言えないことである。したがって、すべて想像の域を越えることはない。よほど均衡していないかぎり、19時の段階では二次選の候補者はほぼ決まっていると思うのだが。混乱を防ぐためには、やはり、投票所を閉鎖する時間を同じにするしかないと思う。
「20時前に中間結果をゲリラ的に報じるのは反対だ。選挙当日にしか味わえない、ある種のサスペンス、その独特な雰囲気をぶち壊さないでくれ。20時ちょうどに判定がくだり、勝者は熱狂し、敗者は落胆する。個人的には、負け陣営のそういった姿を見るのが楽しみ。」という意見があった。あまり趣味のよくない内容であるが、笑えた。
2007.04.20[Fri] Post 08:46  CO:0  TB:0  社会  Top▲  このエントリーを含むはてなブックマーク 

気狂いピノキオ。ニコラ・サルコジ

仏大統領選も大詰めを迎え、国民が抱える様々な問題に対してもつ複雑な感情が、将来への希望を託したひとつの投票用紙へと結晶化されつつある。個人的には、サルコジがブッシュの横に立つ写真だけは見たくないのであるが、こればかりは最終的に有権者の意思に左右されるわけで、フランス人の良識に期待するしかない。

さて、今回の大統領選はこれまで、サルコジの一人舞台のような観がある。正式に候補を名乗りあげるずっと前から、誰もが立候補することを疑ってなかったし、内相時代の大袈裟なパフォーマンスも、すべて大統領選のためなどと批判され続けられてきたわけである。そういった批判に対して当時は閣僚としての仕事を行っているだけなどと返していたが、今になって2002年から選挙運動は始められていたとも言っている。(12/04/07リベ紙の対談
正式な選挙機関に入ってからも、イニシアティヴをとっているのはサルコジで、他の候補者は彼が投じるテーマに反応することに甘んじているようにも思われる。UMP党内部の方では、サルコジ自身の挑発的発言が引金となって、主としてネット上で繰りひろげられているアンチ・サルコ運動に対する火消しに追われている。いずれにしても、他の候補者を押しのけて前面に出てくるのはサルコジ。よくもわるくも、一番話題になっているのはサルコジ。フランスでは公式選挙期間中、TV・ラジオにおける全候補者とそのスポークスマンの発言時間は、平等であることと選挙管理委員会によって決められているので(非常に正確に測られている)、サルコジ陣営だけが他の候補者よりもお茶の間に現れるわけではない。それでも、サルコジの話題で持ちきりなのは事実である。各メディアの政治部に不利になるようなコメントは慎むようにと、裏でかなりの圧力をかけていることは専らの噂であるが、それ以上に、メディアが挙って取上げるだろう挑発的発言を繰り返し、世間の注目を集めようとしているのは事実である。サルコジの陰謀に抵抗している一部のメディアも、最終的には彼が仕掛ける罠に捕われているという次第である。
こういった戦略は、一昔前には極右ル・ペンのものとされていたが、現在では完全にサルコジ・メソードになっている。このメソードは一貫して、国民が将来に対して漠然ともつ不安を利用することから成っているのだが、そういった漠然とした不安に任意の実体を与えることで、それに対する恐怖心を植えつけ、「それを取り除くことができるのは私だけですよ、信じてください」というわけである。まったくもって、扇動家の得意とする自作自演のメソードである。こういう理由で反対陣営からは、今やサルコジはル・ペンと同列に置かれているわけである。最近までル・ペンに対して投じられていたスローガンが、そのままサルコジに対して適用されている。打倒サルコジ!サルコジ以外!しかしながら、これらは鬨の声でしかないのだろうか?こういった雰囲気のなかで、サルコジ支持率が低下しないのは、正直言って疑問である。

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12日付けリベ紙での対談は、あまり冷静には読むことができない内容である。それというのも、サルコジという人間は、はっきり言って国民をばかにしていると思われるからである。彼の発言のどれをとっても、「Aは正しいでしょ。BはAの反対でしょ。故にBは間違いでしょ。」というごく単純な形式でしか論証されていない。まるで、すべての人間が彼と同じように思考していて、これが正しい思考の在り方だと云わんとしているように。ナショナル・アイデンティティー問題なども、彼の思考回路が同一性原理にしか従っていないので、そこから必然的にでてくる一帰結として何ら驚くことはないのである。そもそもAがなぜ正しいのかということが議論されるべきであるのに、そんなことは彼にとっては大前提であり、疑問を投じる者の方が狂言者ということになっている。その大前提が言うところによると、富裕層を重税から守れであり、さもなければ資本の国外への流出は避けられないということらしい。サルコジによれば、富裕層というものがフランスでの絶滅危惧種に指定されているというわけだが、このことは話題の前面に現れないように上手い具合に操作されている。
結局、サルコジのやっていることは、有権者が主要な問題について十分に思考させないような撹乱作戦でしかない。移民、アイデンティティーとか、治安、オマワリとかに話題を集中させようとしながら、他のことがらが見えないように上手くメディアコントロールをしている。かろうじて、雇用制度に関する問題は議論されているが、それは、ジョスパン内閣で施行された35時間法が経済成長の足枷になっているということを攻撃することに集中しており、週4時間残業すれば、皆が幸福になれるというもの。要は、もっと働きたい者は働けばよいという、労働を美化することに焦点を合わせている。(これまで人一倍努力した、働いた、というのがサルコジの口癖。)それは個人の自由に任されているが、ここでも反対する者は、怠け者と言いたいようだ。これだけを指標にして投票すると、後になって後悔することになると思う。ARBEIT MACHT FREI
例えば、医療問題についてのこと。これに関するサルコジのオプセッションは、病気になるのは当人の責任と財政全体を圧迫している国民健康保険の払戻金をいかに抑えるかだけだと言われている。彼が提唱する具体案は、払戻しが有効になるための一家族当りの医療総額最低ラインを決めることで、それ以下の場合は支払いがなされないというもの。例えば、政府が200ユーロと決めれば、199ユーロまでしか医者な世話にならないごく普通の健康な市民は実費ということ。そして、それ以上の負担した市民は、払い戻されるということ。最低総額ラインは、財政赤字次第でいくらでも調節できるかぎり、流動的な値となるだろう。
医者の世話にならないことに越したことはないことは、誰もが希望していることである。しかしながら、本人が健康に気遣っていても、子供が学校からもらってきたインフルエンザとかノロウイルスとかに、感染してしまうことは、ごく一般の家庭に見られることで、自分の周りにも多くいる。サルコジにして見れば、運が悪かったということで、国としては抵抗力のない遺伝子の責任まで面倒みきれないということのようだ。
最終的に、誰が得して損をするのかを、もう少し冷静に考えたほうがいいのでは?反対声明文にも明記されているように、ごく普通の市民が損をすることは、始めからわかりきっていること。法律が一様に適用されるとし、国庫の財政赤字縮減のためという限り、表面的には平等・連帯であるというように思えるが、だいたい所得が不平等なのだから平等であるわけがない。かりにフィンランドの交通違反金のように、所得に応じてその額が決定するとしても、ナンセンスな制度である。病気になることは、犯罪でもなければ、別に違反でもないからである。それに相互保険による払戻しはどのようになされるのか?やはり、国民保険での払戻し最低総額ラインを超えた時点でなのか?医療・保険制度の解体も必至だ。こんなバカげた制度の草案が、移民・アイデンティティー省など以上に話題にならないのは、メディアコントロールによるのでしょうか?本当に大丈夫ですかね、この国は。イタリア人の友人らに、ベルルスコーニ時代がどうだったか、聞いてみた方がよいと思います。

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こういった雰囲気のなか、残すところ7日に迫った大統領選の行方は、残念ながらサルコジの逃げ切りか、さもなければ、自らの発言が生む波紋によって自爆するかのいずれかで決まるようだ。したがって、ここでもサルコジに依存しているということ。ミッシェル・オンフレとの対談での遺伝子・優生学発言は、各方面から非難されている。公になった今では、本人は開き直り状態で、反省している様子はまったくない。この爆弾発言によって、どれだけのサルコジ支持者が反対陣営に移行したのかはわからない。個人的には、十分にサルコジの狂人ぶりを見極める指標になるとと思われるのだが。
保守系の雑誌に毎週のように記事を書いている、ベルナール・アンリ・レヴィは、これまで曖昧な態度をとっていたものの、さすがに遺伝子発言には切れたらしく、正式にロワイヤルに投票するなどと表明した。(10/04/07ル・モンド紙)(対談の終りで、ロワイヤルがドミニク・ストロース=カーンを首相に任命することを公言したら、支持率が急上昇するなどと述べられている。)その反面、別に公言する義務などないのに、早々にサルコジ支持を長い解説付で表明したアンドレ・グリュックスマンを始めとする知識人らは、今ごろ何を思っているのだろうか。誰も彼のことなど気にかけはいないので、どうでもよいことなのだが、ゴーシュ・キャビアにだけは成りたくないものだ。公言の取り消しなど新たに醜態を曝す必要はないが、せめて投票所で悔改めてもらいたいものである。
アイデンティティー問題が数日前に議論されていたように、それが歴史の具体的状況とともに変化するということを認めるにせよ、60年代後半のマオが、40年経た今にどうしてネオコン・ネオレアックに鞍替えできるのかは疑問である。バディウなどに言わせると、完全な裏切り行為ということになるが、そもそも鞍替えできる者は、最初から時代が要請する仮面を被っていたのだとするなら、裏切りでも何でもないということだろう。

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などと、書き綴ってみたが、気狂いサルコジの危険さに反対陣営が徐々に結束しつつある。昨日はミッテラン時代に首相を務めたミッシェル・ロカールが、そして今日はジョスパン時代に厚生相を務め、国境のなき医師団の創始者の一人でもあるベルナール・クシュネールが、対サルコに向けてのUDF(バイル)とPS(ロワイヤル)が共同戦線を組むよう提案をした。社会党は拒否しているが、バイルにとっては可能性ゼロということはないらしい。大統領選後には、国民議会選挙が控えているし、新たな連合というのがあれば、これまでの政治勢力図がまったく変わってしまうことになる。

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2007.04.15[Sun] Post 17:25  CO:2  TB:1  社会  Top▲  このエントリーを含むはてなブックマーク 

D・ベンサイド : 反資本主義闘争左派の再構築

前エントリーのバリバール記事の下に、記載されいているベンサイドの記事。これを読むとバリバールが提唱することは、いわゆる「右派に勝利を与えないための有効票」を支持しているようにも感じる。(バリバールは、今も昔も思想的には極左のはず。)ベンサイドにとっては、本人がLCR(共産主義革命同盟。ブザンスノが候補者。)にも属していることもあり、右の勝利は望まなくとも、左派の左派としての政治責任はとるべきであるということである。
ベンサイドをTVで見ることはまずないが、同じ党の候補者ブザンスノは、選挙前にはよく見る。労働者の観点から(彼自身、郵便配達人であることは有名)、フランスの多国籍企業の経営者やそれを擁護する陣営に浴びせる非難は痛烈である。選挙公約の主なものは、労働者の最低賃金を手取り1500ユーロに引上げること。こういったことを公約に挙げると、すぐさま、どこから算出するのかと反論されるが、富裕税を上げるというようなお決まりの提案だけでなく、軍事縮小など具体的な数字を挙げるものには意外に説得力があり、共感するものも多くある。彼によると、原子力潜水艦などを新たに造らないか一艦減らせば、月1500ユーロへの賃上げは可能であると言う。

Daniel Bensaïd - Ronconstruire une gauche de combat anticapitaliste

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2007.04.08[Sun] Post 01:12  CO:0  TB:0  リベラシオン  Top▲  このエントリーを含むはてなブックマーク 

エティエンヌ・バリバール : ロワイヤル。右翼政権失脚のための一票。

2週間後に控えた大統領選を前にして、セゴレーヌ・ロワイヤルの勝利を願うエティエンヌ・バリバールが、リベラシオン紙に寄せた記事。毎週のように発表される各機関の世論調査によると、対サルコジだろうが、対バイルであろうが、ロワイヤル勝利の可能性は薄いのだが、どうなるかはまだわからない。すでに誰に投票するかを決めている有権者には、いまさら何を言っても効果がないのであるが、バリバールが訴えている有権者は、いまだバイルかロワイヤルかに決めかねている者や、選挙に行くか行かないかという読者に絞られているようである。
先日、公の場で「バイル支持発言」をしたことを、隠し撮りされネットに流された著名ジャーナリスト、アラン・デュアメルがほぼ2-3日おきに記事を寄せているリベラシオン紙上での記事ということも、そういった意志が託されていると思われる。バリバールが言うように、様々な理由から社会党に幻滅している元信奉者の多く有権者が、バイユを支持に傾いているということは、各メディアでもすでに報告されている。それは、特に教職者に多いとも言われている。
最後の文章は、おそらくそういった現状を踏まえての発言であろうだろう。「移民・ナショナルアイデンティティー省」についてのサルコジ発言後になされたロワイヤルの「一家にトリコロール一旗」発言と、ベルビル地区で起こった事件後の「公立学校に通学する児童を持つ滞在許可書がない両親に対する処置の問題」についての各候補者の発言。どちらが正当で、一貫した態度であるのかについての判断を、いまだ支持者を決めかねている有権者に対して、バリバールは課しているようにも思われる。「この判断は重要ですよ。あなたがたが、右か左かを分けるテストなんですよ。」
第五共和制の終焉などとも言われている今日この頃であるが、この国の精神構造は、プルーストが描く第一次大戦前夜のフランスでの第三共和制の頃とあまり変わりがないように思われる。郊外問題から「移民・ナショナルアイデンティティー省」発言に帰着する一連の騒動(サルコジは、最近ミッシェル・オンフレとの雑誌対談で優生学的発言までした:サルコジ的遺伝学)で見るものをドレフュス事件や、ゲルマントやヴェルデュランでのサロンで見るものをエリゼ宮や内務省のガーデンパーティーなどに置き換えることで理解されるだろう。
サルコジの優生学によると、政治的に右の人間はどの時代どの国に生を受けても、政治的に右の人間であるということになるのだが、これについてだけは、サルコジに賛同できるかもしれない。そうだとすれば現状で右の人間が、いかにドレフュス事件に対するゾラなどの行為を共和国の象徴的遺産などと政治的に回収し賞賛することがあるにせよ、当の問題がアクチュアルな時代にいたとするなら、声高らかにゾラを糾弾していただろうなどと想像することは簡単なのである。



Etienne Balibar : Royal, pour faire échec à la droite

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2007.04.07[Sat] Post 21:35  CO:0  TB:0  リベラシオン  Top▲  このエントリーを含むはてなブックマーク 

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